ちびっ子あるある 肘内障
2022/07/28
本日、電話で患者様からお問い合わせがありました。
内容は『子どもの腕が外れたのでそちらで治せますか?』とのこと。
即答で『治せますよ』とお答えしました。
状況から考えても肘内障が一番考えられる病態でした。
この肘内障、小さいお子さんを育児中の親御さんは要注意です‼
ひょっとしたら自分自身の昔の記憶に残ってらっしゃる方もいるのではないでしょうか?
そもそも肘内障とは、肘の輪状靱帯と橈骨頭が外れかける…いわゆる亜脱臼を起こしている状態をいいます。
ん?専門用語は分かんねーぜ‼というそこのアナタ‼
お任せください、分かりやすく伝えることで有名なこの私が解説しましょう。
ふっふっふ…『肘がチョットずれてるんス』
あー分かりやすい、超丁寧、さすが~✨
でも、ホントそんな感じです(笑)
歩き始めから小学校入学前くらいのお子様に頻発します。
極々稀に小学校低学年でも起こることがありますが、ほとんどが6歳以下だと思っていいです。
原因は、とっさに強く手を引っ張る・捻る時に肘が外れかけます。
その後は患部側の手をだらりとして全く使わなくなります。
クセになることも多く、一度なってしまったら何度でも繰り返すお子様もちらほら。
意外と大人が見てない時に発症するケースもあり、子どもが一人で遊んでいたら急に泣き出した…ということもあります。
ちょっと肘が外れるとはいえ、めちゃくちゃ痛いんです。だって亜脱臼だから。
こむら返りも相当痛いでしょう?
その痛みが肘がちゃんとハマるまでずっと続くんです。
それをちびっ子が耐えていると考えると辛いのなんの…。
この肘内障は徒手整復で治します。
徒手整復とは私たち医療従事者(医師か柔道整復師)が手で引っ張って治すということです。
肘内障の整復は秒で終わります。
めっちゃ泣きます。しばらく泣きます。
泣き止んでも、こちらの顔を見ると速攻で泣きます。
でも、5~10分すると痛みが治まってくることが多いので、バンザイしてもらったりクルクル回してもらったりして確認します。
そこでちゃんと動いたら整復完了‼
私は必ずそのちびっ子とタッチして終わります。
アフターケアとして、たまに小さい骨折が隠れていたりするケース(私はまだ経験していませんが💦)もあるようなので翌日になっても手を使わないようなら整形外科でレントゲン検査を受けることを伝えます。
少し上から目線になるかもしれませんが、同じ柔道整復師でも徒手整復が出来ない…というより未経験という人が多いです。
肘内障の整復は若手柔道整復師の登竜門的な存在です。
前職でもそんな感じでした(私のデビュー戦はいきなり一人で鎖骨骨折でしたが…)
一度経験するとしないとでは外傷に対する見方・考え方がガラリと変わります。
出来なかったことを次に持ち越さないように必死で勉強しますし、上手くなれるようにもっと練習します。
実を言うと、お問い合わせのあった患者様は来院されませんでした。
おそらく整形外科に行かれたのだと思います。
でもそれでも良いんです。
一度でも徒手整復を経験すると、泣きじゃくるちびっ子の顔を絶対に忘れられません。
その子がちゃんと治ってくれるのが一番です。
無事に整復されたのかな~?
今日は一日中、その子のことばかり考えていました。
それではまた次回‼